呼吸器外科がある病院でのCT撮影。

■闘病日記 其の三十【思案橋】 (2014/07/01)

 この闘病日記もついに三十回目を迎えた。

 とはいっても、最近は普通に生活していて、特に病と闘っているという自覚は無い。しかし、そこが癌の恐ろしいところで、こうしている間にも、ジワジワと蝕まれているのであった・・・

 前回の検診では、新たに肺に転移したことが判明した。私が手術を行った地域中核病院では、肺専門の医師が居ないため、某大手大学病院の呼吸器外科を紹介してもらう。本日は紹介先での初検診である。

 地域中核病院でもそこそこ賑わってはいたのだが、ここ大手大学病院はタイヘンな混雑だった。紹介状を持参し予約して行ったのだが、結構待たされる。新しい主治医の先生は、まだ若いものの大変丁寧な方で、病状について詳細に説明をしてくれた。

 地域連携システムにより、前の病院で撮影した造影剤CTの画像一式は、既にデータとして送付されていた。呼吸器外科の先生は、その画像を仔細に検討したのだが、この先の治療方法については、極めて難しいというのだ。

 本年05/17の造影剤CT撮影の結果、私の肺には二ヵ所の癌が認められている。ひとつは右肺下部でΦ=5mm程度のもの。こちらは肺の隔壁に沿っているため、切除は簡単なのだと言う。問題はもう一ヵ所の方。こちらは左肺下部にあるΦ=8mm程度の癌なのだが、左下肺の内部に位置しており、非常に取りにくい。手術で切除するとなると、左肺の下部を半分程度ゴッソリと取り出してしまうことになる。

 肺は他の臓器と異なり、切除しても再生してこない。即ち、取り去ったら肺が小さくなっちまうってコトだね。今回の場合、肺活量が約20%程度低下する。さらに、心臓への負担がかかる。トドメは、一旦取り去った後で左肺に再度癌が発生した場合、再手術はできないということだ。

 選択肢としては二つ。ひとつは即手術で左右の癌を取り去ってしまうという方法。成功すれば良いのだが、手術後左肺に癌が再発した場合には、完全に詰んでしまう。いわゆる「人生オワタ \(^o^)/」ってヤツですな。

 もう一つは、暫く様子を見て、出るだけの癌を出してから手術する方法。この場合のリスクは、様子を見ている間に、どんどん転移してしまう可能性があること。

 思案橋である・・・

 とりあえず今回は、もう少し患部の詳細なデータを取るため、改めてCT撮影を行った。一週間後に読影結果が出るので、その時にまた方針を検討する予定だ。

 なお、今日初めて知ったことがある。右肺は上部、中部、下部と3つの部位から構成されているが、左肺は上部と下部の2つしかない。おそらく心臓があるため、シンメトリーになっていないものと思われる。人間のカラダって、不思議だなぁ。。。

 今回の診察で、またもや暗雲が立ち込めてきた。ハリウッド映画であれば、クライマックス。次から次へと危機が迫る。でも、当人は至って平静であるのが、不思議である。人間、一旦死を受け入れてしまうと、案外冷静になれるものなのだよ。そこで一句。

殺すなら

殺してみろよ

癌のヤツ

死んだら税金

払わずに済む


お粗末さまでした。。。

m−_−m



今回の診療で呼吸器外科の先生が描いてくれた絵。
端的に描かれており、とても判りやすい。
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