アメリカ・アーカンソー州パイン・ブラッフから届いた鑽孔テープ。
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■鑽孔テープ (2014/06/11)

 アメリカから大量の鑽孔テープ(紙テープ)が届く。

 鑽孔テープは、紙テープもしくは穿孔テープとも言われ、半導体メモリが普及する前の情報記憶媒体として用いられていた。5穴タイプと8穴タイプの二種類が存在したが、コンピュータやCAM装置で用いられたものは8穴タイプがほとんどであった。テープの幅は1インチ(25.4mm)、コードはASCIIで記録される。本コラムパンチカード (2010/11/06)でも、一部を紹介した。

 今回アメリカから届いた紙テープは、おそらくCAM装置に用いられていたものがメインだと思われる。しかし、詳細は不明。アメリカ・アーカンソー州パイン・ブラッフという街からやって来た。因みにアーカンソー州の州都はリトルロック。近くには、テネシー州メンフィスの街がある。

 鑽孔テープには、複写時の信頼性が低いことや、巻き戻し作業中の破損の危険性といった欠点もあったが、圧倒的な利点も有った。磁気テープよりも寿命が長いこと、磁場に強いこと、そして廃棄処理が確実に出来ること等々である。鑽孔テープには、紙製のものとマイラー(ポリエステルフィルム)製のものがあった。特に後者は耐久性に優れており、めったやたらなコトでは破損しない。

 コードはASCIIを用いており人間が目視できるので、鑽孔テープを見るだけで内容を読み取ることも可能であった。内容を目視で確認できるので、編集することも可能。ノリとハサミと穴開け器があれば、手作業で編集作業を行うことも可能だった。

 鑽孔テープをコンピュータで使用した場合のデータ転送速度は、Wikiによるとだいたい75WPM(ワード毎分)程度であったと言う。熟練したキーパンチャーは、135WPMの速度で鑽孔テープにデータを入力できたそうだ。

 こういう時代を感じさせるモノは、良いよねぇ。。。



鑽孔テープはプラスチックケースに格納されていた。紙製のもの(黒色)とマイラー(ポリエステルフィルム)製のもの(金色)の二種類がある。ラベルには1982/11/11の日付が記載されていた。どのようなデータが入っていたのか判然とはしないが、ラベル記載の文字を見ると「Adapter Cylinder」とあることから、CAM装置のデータ用として用いられていたと考えられる。
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コンピュータでの鑽孔テープの使用例(Wikiより)。アメリカ連邦航空局のホノルル・フライト・サービスでの紙テープ中継作業の様子。

鑽孔テープは、アメリカ・アーカンソー州にあるパイン・ブラッフという街から届いた。この辺りは広大なので、きっと大規模倉庫がたくさんあり、こうした歴史的な物品が今も数多く残っているのであろう。

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