コムソモール団員手帳の表紙。ソ連してます。
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■コムソモール (2013/08/02)

 元CIA職員であるエドワード・スノーデン容疑者の亡命が、8/1ロシア政府により正式に認められたことを記念して、何の関係も無いけどコムソモールのことを取りあげておこう。なお、1年後に「スノーデン容疑者って誰だか知っている?」という質問をしたとしても、ほとんどの人は覚えていないだろう。それほど人間というのは忘れっぽい生物なのだ。

 コムソモールはマルクス・レーニン主義党、主に共産党の青年組織のこと。そしてこの手帳は、コムソモールの団員証である。その昔、ソ連華やかなりし頃の遺物だ。配給や給料支給時に使用されていたものだそうで、当時はこれ無くしては生活ができないモノだったらしい。

 筆者が入手したのは、未使用新品である。ソ連崩壊後、残ってしまった大量の在庫を処分したものだろう。ことこの手帳に関しては、未使用よりも使用済みの方が価値がある。当時の生活の生々しさが伝わってくるからねぇ。

 それはそうと、この手帳であるが、変な匂いがするんだよな。。。どうやら、かの地で印刷時に使用された赤インクの匂いのようなのだが、WEBでは残念ながら伝えることができない。「旧ソ連製」かつ「変な匂い」の2つの言葉を筆者のアタマの中で検索したところ、以前収集したロシアカメラ(正確にはソビエトカメラ)を思い出した。ロシアカメラは、どれも何とも言えないような匂いがあった。匂いとは言っても、不快なものでは無く、何というか、得体の知れない摩訶不思議なものだ。これは特に、カメラケースにおいて顕著だった。このロシアカメラが発する独特の匂いであるが、どうやら一般的な現象だったようだ。中村陸雄氏の名著「ソビエトカメラ党宣言」(2001年10月30日:原書房刊)のP64にも、「ウンコの臭いのするコンパクトカメラ キエフ35a」というタイトルのコラムが掲載されている。因みにこの本は、ソビエトカメラ・ブローカーとしての同氏の、壮絶なる活動の記録であり、歴代ソビエトカメラの貴重な資料集でもある。その飄々とした語り口と鋭い独特な突っこみは、笑わずには読めない傑作だ。特に、アルバイトとして雇っていた現地人「エレーナ」と、その子分である「白痴のアレクサンドル」についての記述は秀逸。まだ読まれてない方は、是非一読をオヌヌメする。ただしまだ入手できれば、のハナシだが・・・


コムソモール団員手帳の中身。シリアル番号は当然全部異なる。写真を貼付するところがある。
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コムソモール団員手帳の中身。この欄に、配給や給料支給の履歴を記したのでしょうな。。。
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中村陸雄氏の名著「ソビエトカメラ党宣言」。ロシアカメラ愛好者の間では有名な、余りにもカルトな一冊である。

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