調達してきたジャンクの1.8インチ5mm厚HDD、東芝MK2004GAL。Appleマーク入りなので、ダイジョウブだろうと思っていたのだが・・・

■初代iPod 其の六【ハズレ!】 (2013/07/06)

 前回までのあらすじ。

 初代iPodのHDDには、1.8インチ5mm厚のATA I/F を持ち、かつ「Apple」ロゴが入った製品を使わなくてはならないということが判ってきたので、さっそく調達することになった・・・

 で、買ってきましたよ。モチロン、ジャンクで!300円くらいかな?自分で言うのもナンだが、こう見えても波多利朗、ジャンク運は強い。これまでも、未チェック格安品を購入して、ハズレはほとんど無かった。まあ、正直に言えば、若干有ったことは有ったが、随分と昔しのことだったので、もう忘れていたんだよね。。。

 さっそく接続してみたら・・・

 ヘッドがカックン、カックンの無限ループで全然認識されない!

 ハズレである!

 そりゃま、ジャンク前提で格安購入してきた物だから、文句は言えないけどさ。悪運もここに尽きたって感じだよ。ワタシャ情け無いよ。何やってんだか。「HDDのジャンクにゃ手出しちゃイケネェよ!」って、あれほど御先祖様に言われてたんだけどさ。オレに限って、そんなことは無いと慢心していたんだろうな、きっと。

 しかし、動かないモンはしょうがない。腹が立ってきたので、このHDDを分解してやることにした。転んでもタダでは起きない波多利朗なのである。少額といえども、購入に費やした金がモッタイナイので、1.8インチHDDという製品には、どのような部品が使われているかを勉強することで、元を取り返すこととした。ここまで来ると、負け惜しみも良いところである。

 さて、メインの石はTOSHIBAのワンチップ・コントロールCPU「S3F448BX」なるものだ。このチップ上には、「ARM」の捺印もあるので、おそらくARMコアの専用チップであろう。軽く検索をかけてみても、同製品に該当するものは出てこない。製造は2004年13週。パッケージはBGA。「NEX 2.1P」という捺印もある。というわけで、詳細は不明のシステムコントロール用カスタムCPU臭い。

 スピンドルモータのドライバには、TI社製のTLS2258のBGAパッケージが使用されている。HDDのヘッド制御用ICには、MALVELL社製88C5575M-NXPというBGAパッケージの石が使用されていた。製造は2004年17週となっている。キャッシュ用メモリは、Winbond社製W9816G6BBという製品で、これは512K×2バンク×16ビット構成のSDRAMである。コイツもパッケージはBGAだ。目立ったチップは以上で、後は電源関係の細かい部品である。

 しかし、今回分解して改めて感じたことは、よくもまあ、これだけ小さなHDDを作ったものだということだ。今だったら、フラッシュメモリで簡単に出来てしまうのだが、当時(2004年)はやはり、HDDでないとこの容量には対応できなかったのだな。この名刺大の5mm厚のカードの中で、ディスクが回転しヘッドがシークするっていうのも、地味に凄いことだと深く感心してしまったのであった。一般民生用として、これだけ精緻なメカトロデバイスを作っちゃうってのも、日本くらいのものなんだろうな。。。


結局ハズレで動かないでやんの。腹立ったので分解してやる!HDDの上面に小さな切り欠きがあるが、ここに精密ドライバーと入れてクイとひねれば、金属製の保護カバーが、ガバっと取れる。

アジの開きにしてみました。左から、HDD本体、金属製保護カバー、絶縁シート。

HDDの制御基板を取り外すには、この2つのネジを外せば良い。その他のネジ(トルクスネジ)を外してしまうと、HDDの御本尊が剥きだしになって、永遠に使えなくなってしまうので、注意しよう。

HDD制御基板の部品面。4つのチップから構成されている。左側にあるコネクタは、HDD本体と接続するための端子。
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HDD制御基板の裏側。
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メインのコントロール用CPU。東芝製の専用CPUで、型番は見えにくいが「S3F448BX」と読める。ARMの捺印があることから、ARMコアを使用したシングルチップであろう。製造は2004年の13週。BGAパッケージ。
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スピンドルモータのドライバには、TI社製のTLS2258 BGAパッケージが使用されている。
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HDDのヘッド制御用であるMALVELL社製88C5575M-NXP。BGAパッケージの石。
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キャッシュ用メモリのWinbond社製W9816G6BB。512K×2バンク×16ビット構成のSDRAMとなっている。
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こちらは、HDDの御本尊。今回これは分解しなかった。




 超小型のHDDを取り上げたついでに、極初期の重厚長大HDDについても触れておこう。以下の写真は、2004/07/17-10/11の期間開催された展示会、「テレビゲームとデジタル科学展」で撮影したものだ。HDDの進歩が、尋常の速度じゃ無いというコトが判る。


「テレビゲームとデジタル科学展」で展示されていた、極初期のHDD。1978年の製品で、バローズ社が製作した容量10メガバイトの磁気ディスクだ。この装置は、イリノイ大学に設置されたコンピュータ「ILLIAC W」に用いられたものだ。

同展示会で展示されていたディスクの大きさの変化。一番大きなディスクは、前述のバローズ社に用いられていたもの。右下に並んでいるのは、現代のDVD。

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