シガーソケットに接続するタイプのバッテリー&オルタネータチェッカー。

■バッテリー&オルタネータチェッカー 其の二 (2013/06/30)

 500のバッテリーを気づかうあまり、ワニ口タイプのバッテリー&オルタネータチェッカーを購入したことは、前に書いた。しかし、バッテリー端子直結タイプだと、計測するのが若干面倒であるし、走行中の状態が監視できない。というワケで、今回はシガーソケットに挿すタイプを試してみる。

 ・・・だったら、最初からそうすれば良いのに、と言われそうだが、シガーソケットだと若干の回路(ON/OFFキーとの連動)が入るので、厳密な測定を行うのであれば、やはりバッテリー端子直結になるのだろう。まあ、おそらく誤差の範囲だと思うが。。。

 ところで、500にはノーマルだとシガーソケットなんて気の利いたモノは付いていない。実は、今を去ること10年以上前、筆者の500の主治医であるオンタリオSSさんにお願いして、シガーソケットを増設してもらったのである。当時、筆者はこのシガーソケットに、電動扇風機を接続して使おうと考えていた。なんせ、エアコンの付かない500は、夏場は暑くて参るからね。でも、主治医の方から、できるだけ電気的な負担をかけない方が良いと忠告され、以降一度も使っていなかったのだ。思えばあの頃は、筆者もまだ青かった。

 500乗りの間では有名なハナシであるが、このクルマの発電能力は、極めて貧弱である。なぜか?理由は簡単で、「それが仕様だからだ!」。500が開発された当時、ダイナモの発電能力は、これが限界だったのだ。だから、500は電気をなるべく節約するように出来ている。メーターの照明スイッチなんかが存在するのも、その好例である。必要が無い電気は、極力使わないよう、乗らなくてはならなかったのだ。

 筆者の場合、電気的な負担は、なるべく避けるよう使用している。夜間は電気を使うので乗らない。雨の日も乗らない。夜間でなくとも、夕暮れでスモールランプの点灯が必要な時も乗らない。メーターの照明も入れたことが無い。オーディオの類はもっての他である。とにかく、電気は極力使わないよう、乗ってきた。

 さて、前置きが長くなってしまったが、実際ダイナモの発電能力はどうなのか?ということを、このシガーソケット接続タイプのバッテリー&オルタネータチェッカーを使って感覚的に知ることができる。500のエンジンをスタートさせ、アイドリング状態で測定してみよう。オルタネータチェッカーの「CHARGE」ランプの一番低いLEDが点灯し、とりあえず充電していることが確認できる。この状態で、例えばウインカーを動作させてみよう。ウインカーランプの点滅に応じて、「CHARGE」の一番低いランプが点滅し、またバッテリーの状態を示すランプも、「MID」と「HIGH」が点滅するのが判る。つまり、ウインカーランプを光らせただけで、バッテリーは放電しているというコトなのだ。同じことはブレーキランプを点灯した際にも発生する。

 500をアイドリング状態にさせていても、「CHARGE」ランプが常時点灯するワケでは無い。ある程度エンジンを回してやらないと充電できないのである。かように500というクルマは、発電能力がプワーなのだ。とは言っても、500が現役で走りまわっていた時代では、これが常識だったのである。メンテナンスマニュアルにも、外部電源を使用して、定期的にバッテリーを充電することが、ちゃんと記載されているのだ。要するに、それなりに手間暇かけて乗るクルマなのである。

 そんなメンドクサイ車に乗っていて楽しいかってか?メンドクサイから楽しいんじゃないか!趣味ってのは、そういうモンだよ!

 なお、なぜオルタネータに換装しないのか?であるが、これは好みの問題と言えるだろう。筆者も青かった頃は、オルタネータ換装を真剣に検討したことがあったが、最終的に止めた。まず、オリジナリティーが損なわれること。ある程度500と生活を共にしてくると、やはりオリジナル仕様が一番、という結論に到達する。これを老成と言えるかどうかは別であるが。またオルタネータは「突然死」する。回路のトランジスタが切れると、それまでである。これに対し、ダイナモの場合は、発電能力が徐々に落ちてくるので、点検をしっかりと行っておけば、ブラシの交換等で事前に対処することが可能だ。


筆者の500は、シガーソケットを密に増設してあったのである。その時は、ここに扇風機を接続することを考えていたが、バッテリーを傷めるので止めたという経緯がある。

ダッシュボードに両面テープで固定したところ。これで走行中も充電状態を確認できる。



 500のエンジンをかけ、アイドリング状態にしてウインカーやブレーキを使用してみると、こんな感じになる。LEDが点滅しているのは、ウインカーランプの発光により一次的に放電状態になるため。ブレーキランプを点灯した時も、同じ状態となる。なお、漫然とアイドリングしていると、CHARGEランプすら点灯しないこともあり、バッテリーは常時放電し続けているということになる。当然のことながら、エンジンを吹かすと、CHARGEランプの点灯数も増加する。

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