Smartiaパッケージ一覧
NEC BIGLOBEが2010年11月25日に発表した、一般コンシューマ向けクラウドコミュニケーター「Smatria」のパッケージ一覧。
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■Smartia(2011/11/25)

 2010年11月25日、ちょうど一年前の今日、NECビッグローブ株式会社が、「Smartia」というAndroid 2.1搭載のクラウドコミュニケーター端末を発表、同年12月6日より42,800円(税込)で発売を開始した。

 「Smartia」の発売について

 翌2011年5月31日、同社は同端末「Smartia」の販売を終了した。

 Smartia販売終了のお知らせ

 このAndroid端末は、発表から販売終了まで、実に187日間という超超短命に終わった。

 以下に、関連記事の一覧を掲載しておく。

 (1)NECビッグローブが7インチディスプレイ搭載Androidタブレット「Smartia」を発表!

 (2)Androidやクラウドを意識させず」新たなネット生活シーンを提供

 (3)NEC製LifeTouchの主な仕様

 (4)NECビックローブ「Smartia(スマーティア)」試用レポート

 (5)【Android】スマーティア(Smartia)とはなんだったのか?

 (6)【Life】BIGLOBE スマーティア【touch】

 以上、(1)〜(6)まで目を通して頂ければ、ここで改めて取り上げることはほとんどなくなる。特に、ユーザ視点からの製品評価では、(5)に全てが凝縮されていると言って良い。(6)に至っては、終盤かなりの修羅場状態にまでなっている。最も、個人ブログや掲示板では、客観的な視点を確保するのは難しい。従って、実際に使用して検証する。

 元々、SmartiaというAndroidタブレットが発売されたことは、知ってはいた。しかし、実のところ発売当初は全く興味が無かった。2011年10月、たまたまとあるWEB上の記事で、この端末が2011年5月31日を以て販売終了した、との記載を見つけた。とたんに、物故端末コレクターとしての魂が火を噴く!

 購入はカンタンだった。オクで結構出品されていたのである。価格は下は6,000円から上は15,000円程度と、保存状態により幅広い。発表から販売終了まで、187日間しか世に出なかった端末とは、一体どのようなものなのであろうか?ひねくれモノの筆者としては、興味津々である。

 ちょうど今日で発表一周忌に当たるのを記念し、今回はこの不遇の端末「Smartia」を取り上げてみることにする。

Smartiaと他の端末たち
初代iPad(10.5インチ)、Smartia(7インチ)、原道N50(5インチ)そしてSYSBAY S-MD03(4.3インチ)。異なる画面サイズのタブレットを並べてみた。
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Smartia外箱裏面の記載
『Smartiaとは、日本電気株式会社製クラウドコミュニケータ「Life Touch」とBIGLOBEが提供するアプリ、WEBサービスをあわせたサービスの名称です』との記載がある。これで、「Smartia」、「Life Touch」、「クラウドコミュニケータ」という3つの単語の相関関係が定義された。なんだかメンドクサイでつね。。。
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専用スタンドに取り付けたSmartia
商品には、専用のスタンドが付属している。ホントウにスタンド以外の機能は無い。例えばiPadの場合、母艦PCとの接続が可能な、いわゆるドッキングステーションとしての機能を有しているが、Smartiaの場合、端末を斜めに置くだけのプラスティックの板なのである。
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折り畳んだ専用スタンド
Smartia専用スタンドは、折り畳んで保存することができる。この専用スタンドについて何かコメントしろと言われたら、折り畳めることくらいしか思い付かない。スタンドを付属させた意図は、「デジタルフォトフレームとしても使用できるようにするため」だそうだ。。。
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Smartia本体裏面
本体には、3Mピクセル・オートフォーカス対応のカメラが内蔵される。左上の切り欠き部分は、スタイラス収納部。右下のカバーの中には、SDカードと「メインスイッチ」と呼ばれるDIPスイッチが格納されている。なお、このメインスイッチとは、本体前面にある電源ボタンの有効/無効を制御するそうな。
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本体裏面の銘板
正式名称はLife Touch クラウドコミュニケーター。型番がスゴイ。「D000-000001-C01」。一応「Made in Japan」なのである。因みに、以前本コラムでご紹介した「LifeTouch NOTE NA75W」は、中国製であった。心なしか、「LifeTouch NOTE NA75W」の方が、造作精度が上であるような希ガス。銘板はシールを貼付しただけ。なんだかなぁ。。。
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本体下部側面
左端から、ストラップ取り付け穴、拡張ポート(仕様は謎)、SDスロットカバー、拡張端子(仕様は謎)と並んでいる。謎が多いね。なお、謎の拡張端子であるが、マニュアルには「本商品では使用できません」と明記されている。同様に謎の拡張ポートは「通信用ポートですが、本商品では使用できません」と、これまた同じようなことが記載されている。これだけ使用できない端子を表に出しているAndroid端末っちゅーのも珍しい。その後の調査で、拡張ポートは、開発時のデバグ用に使うものらしいことが判ってきた。
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本体左側面
左端より、USBポート(Standard A)、USBポート(Micro B)、ステレオイヤホン端子、ACアダプタ接続コネクタの順に並んでいる。タブレットにデカいStandard AのUSBポートを設ける、という発想も珍しい、というか垢抜けない。
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本体上部側面
左端より、スタイラス収納部、音量調節ボタンが配置される。
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本体正面のボタン類
本体正面には、カーソル/決定ボタン、戻るボタン、メニューボタン、ホームボタンが並ぶ。カーソル/決定ボタンの左上にあるのは、光センサー、右側には電源ボタンとスピーカーが配置されている。左端に3つ並んでいるのは、下からマイク、充電ランプ、通知ランプ。こうして見ると、この端末、色んなスイッチやらランプやらが、ゴチャマンと付いているんだよねぇ。。。
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SDカードスロットカバー
購入時には「無印」の2MB SDカードが入っていた。このSDカード(フルサイズ)も日本製。それにしても、SDカードをわざわざ無印にすることもないだろうに・・・
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 まず最初に、Smartia本体のファームをアップデートしておく。この記事を書いている時の最新ファームは、2011年7月5日に公開されたビルド「01.10.12-01.20」となっており、それ以降の更新は、されていないようだ。ファーム・アップデートの詳細はここ

 なんか、もう、書くのがメンドウになってきたので、簡潔に・・・

○良いトコロ
・7インチの液晶画面が見やすい。
・軽い。(軽いからといって、安っぽくなってはイケナイ!)

●悪いトコロ
・WiFiの再接続ができないコトがある。
これだけでも致命傷と言えるだろう。本体をACアダプタに接続させたまま、電源ボタンで端末電源をオフにして一昼夜くらい放置しておく。次に使用する際、電源ボタンを押すと、WiFiが切れている。普通は再接続されるものだが、この端末ではいつまで経っても接続されないことがある。仕方ないので、「設定」画面からWiFiのON/OFFを行うが、ここでも時と場合によってはハングすることがある。もう、何が何だか・・・結局、電源のON/OFFを行わないと復帰しないこともある。この現象は、アンドロイドマーケットから「WiFi Keep Alive」といったウィジェットをダウンして、インストールしたら改善された。。。繰り返す、改善された。。。(完治されたワケでは無い)。

・タッチパネルが抵抗膜方式。
発売が約1年前の製品だから、静電方式を採用するのにはコストが合わなかったのだろうが、当時においても、iPadやギャラタブといった製品は、静電方式を採用していた。Smartiaの発売当時の価格(42,800円)を考えると、抵抗膜方式採用というのは、かなり手を抜いているを言わざるを得ない。

・ユニバーサルデザインになっていない。
本体を左手で持ち、右手でスタイラスを操作するインターフェスが基本になっているのだが、当然左利きの人間にとっては使いにくい。画面回転機能を用いて、操作ボタン類が右側になるよう回転しても、ちゃんと画面が表示されて使えるようにするだけでいいんだけどなぁ。。。残念ながら操作ボタン類を右側にすると、画面は上下が逆になる。

・筐体の作りが安っぽい。
価格の割りには作りが雑である。ディスプレイ回りのフレームなんか、バリみたいなものが残っているし、プラスチックを継いだ際に出来た筋が残る。この端末はデザインされていない。痛い。なお、タッチパネルとフレームとの間に段差が有るのもいただけない。通常はフラット処理にするべきだ。指で操作する場合、角までタッチできないからね。ま、スタイラス操作前提であれば、この点は特に問題にはならないんだけどね。

・フラッシュ不動
これも致命傷。Flash Player 10.1はAndroid2.2以降の端末にしか提供されていないので、動作しない。公式サイトのFAQにも記載されているが、フラッシュには非対応で、これは今後改善される見込みも無い。

・ファームのアップデート不可
Android 2.1を永遠に使い続けなくてはならない。

・外付けキーボード接続不可
Bluetooth内蔵なのに、外付けキーボードが接続できない。公式ページにも、その旨が記載されている。外付けキーボードが使用可能であれば、まだ若干救われるような気もするのだが・・・

・バッテリ残量表示がワヤクチャ
バグでは無くて仕様です、と言われればそれまでなんだけどさ。。。

・動作が遅い!
プリインストールアプリが多いので、当然の帰結として動作が遅くなっている。使用しているCPUはARM Cortex A8とのことだが、動作周波数の記載は無い。内蔵RAMが384MBというのは、発売当時を考慮すると仕方ない気もするが、元々それほど多くないRAM上で、色々なおせっかいソフトが動いているから、遅くなるのも理だ。画面スクロール時も、カクカクすることが多い。

・画面回転が2方向、しかもメイン画面は固定
メイン画面は横固定で動かない。その他、回転できる画面でも4方向のうち2方向にしか回転しない。上記でも述べたが、操作ボタン類を右側に配置しても画面がきちんと表示されるようにすれば、左利きでも使いやすくなったのに。

 といった具合で、これは商品というよりも試作機という方がふさわしい。発表から販売終了まで、わずか187日間という事実も頷ける。この商品に欠けていたのは、「マーケティング」だ。

 今回は若干辛口の評価になってしまったが、筆者はいわゆる「アンチ」では無い。あくまでユーザとして中立な視点で評価した。もっとも、この端末が定価1万円以下で販売されている「謎ロイド(中華パッド)」だったら、評価結果は当然変わってくると思うが・・・

Smartiaのトップ画面
プリインストールアプリのオンーパレード状態だ。プッシュ配信サービスは、正直言って「ウザい」。
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Smartia端末情報画面
ファームウエアは2.1-update1、ビルド番号は01.10.12-01.20。2011年7月5日にアップデートされたもの。これ以降は更新されていない。
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設定画面
右上にある「Fast Reboot」ってアプリは、メモリを即座に解放してくれるスグレモノなので、Smartiaのような裏でいっぱいタスクが動いている端末には最適だろう。
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andronavi
andronaviというのが売り物なのだそうだが、興味無いので一度も使わなかった。普通にマーケットでいいじゃん、って思うんだけどねぇ。。。
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ドライバのインストール
PCとの接続には、専用のUSBドライバが必要だ。ドライバはここでダウンロードできる。

ddmsでの接続画面
端末名称が適当杉ワロタ・・・
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adb shellでの接続画面
USBデバグモードでPCと接続し、コマンドプロンプトで「adb shell」を実行する。きちんとしたメーカー製だから、いきなり「#」とはならず「$」プロンプトが表示される。「settings.db」も、他の機種と同様、「/data/data/com.android.providers.settings/databases」フォルダに格納されているが、sqlite3でDBを開くことは、パーミッションで禁止されている。そりゃそうだわな・・・

【補遺】

 現在、NECは「Life Touch」というブランドで「Life Touch B」、「Life Touch」、「LifeTouch W」、「Life Touch NOTE」の4機種を、法人向けとして販売している。詳細はここを参照のこと。このうち、「Life Touch」の抵抗膜タッチパネル仕様を見ると、Smartiaそのものだ。しかも、Androidは2.2になってるし、Flashは10.1が動くし、BluetoothはHIDがサポートされているしと、Smartiaに無かった機能がてんこ盛りになっている。はてさて、これは面妖な・・・仕様から見る限り、ほとんど同じH/Wでありながら、一般コンシューマ向けモデルではバッサリと切っている機能が搭載されているではないか???。これでは、Smartiaを購入したユーザがカワイソウである。出来るんだったら、個人法人関係無くサポートするのが普通であろう。なお、このページでは、「個人のお客様向け製品」として、キーボード搭載の「Life Touch NOTE」へ誘導している。

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