Microsoft Virtual PC
あのマイクロソフトが発売している、ある意味カルトソフト、「Virtual PC」。


■ある意味カルトソフト 「Microsoft Virtual PC」 (2005/08/14)

 これは、かなりキてるソフトだと思う。Microsoft Virtual PC。一言でいえば、Windows2000 Proや、Windows XP Proのデスクトップ上に、ソフトウエアでエミュレーションした仮想的なPCを構築し、そこで古(いにしえ)のOSを動かすことが出来るというシロモノである。ゲストとしてサポートしているOSは、MS-DOS 6.22、Win95、Win95SE、WinMe、Win NT4.0、Win 2000 Pro、Win XP Home、そしてWin XP Pro。ん?Win 2000 ProやXPもゲストとして導入することができるということは、これ即ち、Win XP上でWin XPをエミュレーションすることが可能ということで、これぞ正に「メタ・Win XP」の世界と言えるのではないだろうか?
ヽ(´ー`)ノ

 そんなことはどうでも良いのだが、実はこのソフト、随分前に購入したものだ。なんで今まで使ってなかったかというところから説明する。購入時には気が付かなかったのだが、Virtual PCは、実はWindows XP Home Editionでは動作しないんだよな、これが!筆者はちょっと前まで、メインマシンはWin XP Home Editionを使用していたので、動かすことができなかったのだよ。じゃ、購入時にチャント確認すれば良いじゃないか!と突っ込まれるところだが、箱に書かれている「システム要件」の項目の文字が、あまりに小さかったので気が付かなかったのだ!恐るべしMicrosoft!893な保険会社の約款みたいだぜ!
ヽ(`Д´) ノ

 とまあ、そんなこんなで放ったらかしにしといたのだが、このたびめでたくメインマシンのWin XP Proへのアップグレードが済んだので、導入してみた。目的はただ一つ、DOSを動かしたかったからだ。「そんなん、XPのDOSプロンプトで十分じゃんか?」 と思われるかもしれないが、DOSプロンプトは、単にコマンドライン上で、一部のDOSプログラムを走らせることも可能だよ〜、といった程度なので、今回のVirtual PCとは次元が全く異なる。Virtual PCでは、ホストマシン上に仮想マシンを作成するので、DOSマシンそのものが構築できると考えて良い。さて、インストールは気が抜けるほど簡単で、あっという間に終了する。後はVirtual PCを起動させ、ウイザードに従いバーチャルマシンのセットアップを実施するだけで完了だ。


Virtual PCのコンソール画面
この画面では、既に複数のOSがインストールされた状態を示している。サポートしているMS-DOSは、V6.22のみとなっているが、V5.00やV3.30も、一部制限はあるものの、基本的 には問題無く動作している。しかし、2005年8月現在で、DOS 3.30とかをまだ大事に保存してるヒトっていったい・・・
┐(´ー`)┌


バーチャルマシン起動時の画面
PCで言うと、電源を入れた直後、システムチェックを実施している画面がコレ。2001年版のAMI BIOSをBIOSとして使用しているのが判る。RAMは、ウイザードで標準設定すると、DOSでは32MBが自動的に設定される。HDDやCD Driveも、仮想化した状態で認識される。


BIOS設定画面
バーチャルマシン起動中、システムチェックを実施している時にDELキーを押せば、これこの通り。ちゃんと本物のマシンと同じようにBIOS設定画面に入ることができる。こりゃ、ちょっとカンドーもんだぜ!
ヽ(´ー`)ノ


 ほんじゃ、さっそくウイザードに従い、DOSのバーチャルマシンを作成してみることにしよう!マシンのHDDは、仮想ファイルとしてホストのHDD上に作成される。同時に、Virtual PCのコンソール画面に、作成したマシンがエントリされ、以降はこの画面から、任意のマシンを複数起動させることが可能となる。作成したバーチャルマシンを起動させると、実際のマシン同様、システムチェックの画面が表示される。この時に「DEL」キーを押せば、BIOS設定画面にも入ることができるのだ!これはちょっとカンドーもんだ!因みにBIOSにはAMIを使用している。

 今回は先ず、ファーストステップとしてDOS 5.00の導入だ。バーチャルマシンをセットアップし起動をかけると、システムチェックの後でFDブートを試みる。ここで、DOS 5.00/Vの起動DISKを入れておくと、リアルマシンと同様にFDからシステムをブートさせることができる。その後のインストールは、実マシンと全く同様。仮想HDDをフォーマットした後、DOSのインストールが行われる。このような場合、むしろ一番問題となるのが、「元となるDOSのFDを、まだ保存しているようなヒトがいるかどうか?」といったことであろうな、多分・・・
┐(´ー`)┌

 導入が終わると、再起動をかければ、そこは懐かしいDOSの世界。config.sysとかautoexec.batをゴリゴリと書き直し、ドライバ類をガシガシ入れて環境設定を行うことができる。当然のことながら、「chev us」にもきちんと対応している。

MS-DOS Ver 5.00/Vを導入しているところ
その昔、嫌というほど見慣れた画面を、また拝むことができる。ああ、懐かしい懐かしい!


MS-DOS Ver 5.00/Vが起動したところ
IBM PC-DOS Ver 5.00/Vを起動した画面。DOSはちゃんとUMBにロードされている。実は、IBM DOSとMicrosoft DOSとでは、微妙に動作が異なる。当然、Microsoft DOSの方が、互換性が高い。IBMの製品なんかシラネーヨ!という割り切った考え方が伺えて、面白い。


 今回は、手元に保存してあったIBM PC-DOS J6.1/V、同J5.0/VおよびMicrosoft MS-DOS V5.0/Vの3種類の導入を試みた。IBM DOSとMicrosoft DOSとでは、微妙な相違がある。Vzエディタを日本語モードで起動させると、IBM DOSではNGだが、Microsoft DOSでは全く問題無く使用できるのだ。この辺り、「自社製品しかサポートしませんが、何か?」といったMicrosoftの基本姿勢がかいま見られて、大変面白い!
ヽ(`Д´) ノ

 ところで、気になる「音」なのだが、SoundBlasterの設定をConifgに書き込まなくても、音は特に問題無く出てくる。しかし、CD ROMドライブを使用する場合と、既存システムとの間で共有のフォルダを構築する場合には、若干制限が生じる。DOSのバーチャルマシンでこれらの機能を実現させるためには、バーチャルマシンの追加機能をインストールしなくてはならない。ところが、この追加機能のインストール方法について、マニュアルでは一切触れていないという、超親切設計になっているのだ!結局、ヘルプを立ち上げ、「MS-DOS 用のバーチャル マシン追加機能をインストールするには」の項目を良く読まないと対応できない。  さらに、この追加機能は、DOSのVersionが6.22/V以上でないとサポートしていないという「オマケ」も付く。これが、MS-DOSであれば5.00以下でもインストールすることができるのに、ゲストOSとして使用することができるシステム要件には6.22とワザワザ記載している理由なのだ!な〜るほどねぇ・・・(だったらちゃんとマニュアルに明記しろよ!って言いたい!)

 とりあえず、手持ちのDOSソフトをいくつか動作させてみた。3次元迷路グリグリの超有名ソフト「Wolfstein 3D」も、インストール完了。懐かしいことに昔プレイした通りにちゃんと動作する(当たり前か?)。その他、「プリンス・オブ・ペルシャ」や「Microsoft Flight Simulator 4」なども問題無く動作した。今後の課題としては、DOS 6.22をどっかからか仕入れてきて、例の「追加機能」が使用できるかどうかを確認することと、Windows 1.0、2.0、3.0、3.1といった骨董窓を動作させることができるかどうかの検証だな!
\(^o^)/

 で、最後になっちゃったけど、この「Virtual PC 2004」の価格であるが、2005年8月現在の調査で、ヨドバシ価格16,590円也!高い!高すぎる!!これじゃ、使うヒトいねえよ!ってくらい高い!!!有志により作られたPC9801エミュレータ、「NEXT98」を知る人間にとって、この値段は「想定の範囲外」だ。所詮エミュレータなんだからさ、もうちっと安くしなくてはいけないんとちゃいまっか???
ヽ(`Д´)ノ

Wolfstein 3D
DOS華やかなりし頃、猛烈に流行った3Dシューティングゲーム。DOOMのハシリみたいなモンだった。プレーヤーは、ナチの要塞に侵入し、ミッションを果たす。エピソードは全部で6つ用意されおり、最初のエピソードのみフリーでダウンロードできた。このソフトはPC9801には移植されなかった。


3DBench
1994年頃〜96年頃にかけて、秋葉原の店頭で最も良く見かけた画面が、この3DBENCHである。IBM PC/ATと思しき筐体がぐるぐる回り、HALの文字がビョンビョンと跳ねる。この数値が20以上だの50まで行っただので、大騒ぎしていたものである。Pentium 2.8GHz、Windows XP Proマシン上のVirtual PCで動作させると、ご覧の通り。測定不能の速さであった。当然か・・・


Microsoft Flight Simulator 4.0
これも猛烈に流行ったソフトである。今のフライトシミュレータから見れば、アリエネ〜って叫んでしまうくらい、ショボい世界を飛び回る、マイクロソフト・フライトシミュレータ4.0である。うう、渋いぜ!


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