■Telesensory Pico (2005/08/01)
 こういった製品は、福祉後進国である日本では、なかなか出て来ないなぁ、と実感させられる代物、それがこの、「Telesensory Pico」である。一言でいえば、電子的な拡大鏡、ということになるのだが、色覚異常の方にも対応できるよう、色々な機能が付いているところがミソ。以前intelだったかが子供向けに発売した、CCDを用いたUSB顕微鏡のようなオモチャとは一線を画す商品である。ひょっとしたら、既に日本にも入っているのかも知れないが、筆者はまだ見たことが無い。メーカーのHPはここ。Picoの製品情報はこちらを参考にしていただきたい。

 Picoは、「Pocket Video Magnifier」と書かれている通り、センサ(おそらくはCCDセンサと思われるがCMOSの可能性もある。この点については、スペックシートに記載が無いため不明)を通して得た画像をデジタル処理し、背面にある4インチ(10.6cm)LCDに表示するものだ。大変良く出来ている点は、本体に2本の足が付いており、2本とも立てた場合で×5、本体上部の足のみ立てた場合で×11、本体下部の足のみの場合は×8と、カンタンに倍率設定ができる点である。また、商品の性格上、ユーザは高齢者が多いということもあり、操作系はこれ以上無いくらい簡単になっている。当然、PC等への接続も不要で、単体で使用することができる。

 本体の寸法は16.5cm x 8.9cm x 2.5cm。重量は280gで、これには内蔵バッテリも含まれる。電源は充電式で、2時間のチャージで1.25時間の連続使用が可能。LCDのバックライトは、Hi/Low/Offの3段階に設定可能となっている。特徴的な仕様は、まだある。LCDには通常モードでカラー表示されるのだが、モノクロ表示、モノクロ反転表示もボタン一つで切り替えられる。また色覚異常の方には、ブルー・イエローによる表示も搭載されており、この辺りはマーケットを良く調査し商品企画を行っている。

 テストとして、Patekの腕時計(ジャンピング・セコンド)を拡大してみた。ご覧の通り、×5して表示しているが、大変クリアな写りである。本体背面には、オフセットされた位置にレンズがあり、その周りには照明用の4個の白色発光ダイオードが配置されている。レンズの位置が、本体中央では無く、若干ズレた所にあるのは、上述のように本体前後の足の立て方で、倍率を変えるための工夫だ。難点は、レンズが本体中央に位置しておらず、左端にあるため、慣れないと見たいところへレンズを持って行くのが難しいところだろうか。いずれにせよ、本機は老人向けのみならず、宝飾類の鑑賞等にも十分使用することができる。もう少し安くなれば、言うこと無いんだけどねぇ・・・

本体下部の足を2本とも立てたところ
この状態で、×5の拡大率となる。


本体下部の足のみを立てたところ
こうすれば、×8の拡大率となる。良く出来ているねぇ・・・


Pico本体裏面
折り畳み式の足が2本、搭載されている。カメラレンズは向かって右側にオフセットされて付いている。レンズの周りには、照明用の白色発光ダイオードが配される。


拡大実験に使ったPATEKの腕時計
別に何でも良かったんだけど、とりあえずPATEK PHILLIPEのジャンピング・セコンドを拡大してみることにした。


使用状況
両足を立て、×5にて拡大表示中。こんな感じになりまつ。


拡大画面 #1
意外と鮮明に出てくるのでビツクリ!


拡大画面 #2
時計裏側のギア部分を見る。こちらも驚くほど鮮明!


モノクロ反転モードの画面
ボタンを押し、モノクロ反転モードに切り替えた画面


ブルー・イエロー・モードの画面
色覚異常の方向けのモード。なるほど、これだと判りやすい。


モノクロモードの画面
こちらは、通常のモノクロモードの画面


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