■デバイスヲタ必携! Information Art (2005/07/22)

 書架を整理していたら、昔購入した本が出てきた。「Information Art - Diagramming Microchips」。デバイスオタク、特に会社でLSI設計などに携わっている方であれば、「萌え〜」とかいってハァハァしてしまうこと確実な画集だ!この本は、1990年に「The Museum of Modern Art」にて開催された展示会のカタログである。内容はと言えば、過去に製造されてきたLSIチップの設計図、チップ写真を掲載したものだ。巧妙に描かれた回路パターンは、拡大して見れば、なるほどアートしている。筆者であるCara Mccartyという人は、面白い所に目を付けたものだ。企画の勝利、そういった感じの「画集」である。

 内容は、「Logic」、「Memory」、「Microprocessor」、「Applications-Specific」、「Neural Nets」の5部に分かれている。「Microprocessor」の項では、残念ながら世界初のCPUである4004は掲載されていない。DECが1975年に開発した、8,000トランジスタを内蔵したCPUから始まっている。以降、8086、80386、80486と続く(なぜか80286は掲載されていない、残念!)。この本が出版されたのは1990年であるから、Pentiumはまだ世の中には出ていない。

 回路パターンを純粋にアートとして見るならば、最も美しいのは「Neural Nets」であろう。本書では2種類のみ掲載されているが、どちらもこのまま拡大印刷して、部屋に飾っておいても絵になる「模様」だ。レトロな雰囲気濃厚なのは、intelが1974年に開発したEPROM、2708のパターン。これは筆者個人的には、かなり気に入っている。

 展示会カタログということもあり、今となってはかなり入手困難だと思うが、もし古本で出ていたら、迷わず購入すべし!波多利朗推薦図書の一冊。MoMA ISBN 0-87070-310-2。


intel 80386のマスクパターン
intelが1985年に開発したマイクロプロセッサ、80386のパターン。229,000トランジスタを搭載していた。マジメな作りでつ・・・


intel 2708のマスクパターン
うわぁ〜!懐かしい!!2708だってさ。intelが1974年に開発したEPROMのパターン。この野暮ったい茶色といい、パターンのおおらかさといい、古き良き時代を象徴する一枚でつ!見ていると心休まる模様!?


Synaptics Neural Netのマスクパターン
Synaptics社が1989年に開発したNeural Netのパターン。3,100トランジスタ搭載。そういえばSynaptics社って、昔良く聞いたような気がするな。他のチップとパターンが全く異なるのが特徴。ところで、Synaptics社って、今はいったい・・・


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