LOCAL BUS-486C/50 (1992)

■台湾製のマザーボード、LOCAL BUS-486C/50。メーカー名は不詳。1992年27 
　週の製造。シリアル番号は 0074391。ボード寸法は 33.5 cm × 22.0 cm の
　Baby-AT サイズ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
■ISA バスの他にローカルバスを３本搭載したマザーボードで、当時としては
　ハイエンド製品に属するものであった。なお、ローカルバスの形式について
　は、不明。SiS チップセットを使用しているので、おそらく SiS のローカ 
　ルバスと思われる。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
■チップセットは SiS 製品を使用しており、全部で３チップ構成。 　　　　
■大きい方のソケットは iontel 80486系 CPU を搭載するためのもの。ZIF ソ
　ケットでは無い。小さいほうのソケットは、Weitek 4167 浮動小数点アクセ
　ラレータチップを搭載するためのもの。　　　　　　　　　　　　　　　　
■以下にボードのスペックを示す。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

■ローカルバススロット部分のアップ。３本あるローカルバススロットは、通
　常の ISA バスとしても使用可能である。ローカルバスソケットには EISA  
　のものを流用している。当時のローカルバスソケットは、ほとんどが EISA 
　ソケットを流用していた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

■SiS 85C402 チップセットのアップ。基板には、デカデカと「Local Bus」と
　記載されている。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

■SiS 85C401 チップセットのアップ。チップセットの下にある５連の DIP ス
　イッチは、CPU のタイプを選択するためのものである。ここで、CPU 種別、
　クロック周波数等を設定した。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

■コメント　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
このマザーボードは、筆者の友人から頂いたものです。彼は DOS/V 初期から 
の自作派廃人でした。1992 年頃といえば ISA バス全盛の時代で、VL Bus は 
まだ世に出ていませんでした。とはいえ、データバス幅 16 bit、バスクロッ 
ク 8.33 MHz の ISA バスは、処理能力的にも限界が見えてきており、各社か 
らローカル仕様の拡張バスが製品化され始めていました。　　　　　　　　　

この時代のローカルバスといえば、真っ先に思い出すのが OPTi ローカルバス
です。筆者が初めてマシンを自作した時に使用したマザーボードにも、OPTi　
ローカルバスが１スロット付いており、スロット形状も EISA ソケットそのも
のでした。今回掲載したマザーボードのローカルバス仕様については、残念な
がら不詳ですが、ひょっとしたら OPTi ローカルバスかもしれません。　　　

ローカルバスは、秋葉原でも話題にはなりましたが、結局流行りはしませんで
した。というのも、ローカルバス対応の拡張カードを購入しなくてはならず、
これが結構高価だったのです。ローカルバス対応のカードとしては、ほとんど
がビデオカードでしたが、入手はなかなか困難でした。また、価格に見合った
性能アップが図れるかどうかも疑問でした。筆者は結局ローカルバスの拡張カ
ードは使用しませんでしたが、筆者の知人で、ローカルバスを使用することで
パフォーマンスを劇的に向上させたという人は、残念ながら見当りません。　

こうして、一時期はローカルバス搭載マザーということで注目されたものです
が、その後 VL バスの登場により自然消滅していきます。ショップによっては
こうしたローカルバスにビデオカードを搭載したセットマシンを、ハイエンド
機として発売していたところもありました。我々貧乏な自作派にとっては、こ
うしたローカルバスを活用することは結局ありませんでしたが、ローカルバス
スロットが付いているマザーを使用するだけで、なんか知らないけれど得した
気分になったものでした。（＾Ｏ＾；；；）不思議なものですね！