AMI Enterprise-W (1994)


■AMI(American Megatrends, Inc.)社製 Enterprise-W マザーボード。
 EISA-VL バス仕様。1994 年4週製造。横 330mm ×縦 220mm。ボードのサイ
 ズは Baby-AT。                           
■EISA バス・スロット7本(うち、2本はVLバス)を搭載している。   
■チップセットは全6個構成と非常に多い。               
■オンボードで IDE、FDD、COM1、COM2、LPT1 を搭載している。スーパー I/O
 チップには、SMC 社製 FDC37C665QFP を使用。             
■水色の ZIF-CPU ソケット(240 Pin PGA)の下にあるランドは、QFP 版の 
 80486SX 及び 80486DX CPU を実装するためのもの。        
■SIMM スロットの上部にあるチップは、SMC 社製のスーパー I/O チップ。 
 また、左横には LCC パッケージのキーボード BIOS が実装されている。  
 CPU ソケットの上部には、システム BIOS チップとリアルタイムクロックモ
 ジュールがある。                          
■以下にボードのスペックを示す。                   

項 目
内 容
CPU 80486SX , 80486DX , 80486DX-2 , P24 , P24T , 80487SX , P23T
CPU Clock 20 , 25 , 33 , 50 MHz
Chip Set 6個構成
Momory 72 Pin SIMM ソケット4個搭載。最高256Mまで拡張可能
Cache 256 KB (Speed 15ns)の2次キャッシュ搭載
Bus EISA バススロット7本搭載(うち2本はVLバス)
Onboard I/O IDE , FDD , COM1 , COM2 , LPT1
CMOS RAM Dallas DS1387 Chip 使用
Etc EISA Configuration Utility Disk 付属
BIOS AMI BIOS EISA-IV (1993)


■チップセットの拡大写真。6個あるチップセット LSI には、全て AMI 社の
 シールが貼付されているため、詳細な型番を確認することはできない。  


■コメント                              
これも発売当時非常に話題となったマザーボードです。まだ VL バスが普及し
ていない時代であっただけに、EISA + VL という構成は非常に贅沢に感じまし
た。しかもメーカーは BIOS メーカーとして名を馳せていた AMI 社製です。 
PCI バスが出現する前、高速なマザーボードを物色していた廃人連中にとって
は、このボードはとても魅力的な製品でした。当然、お値段もかなりのものだ
ったように記憶しています。苦労して貯めたお金でこのボードを購入したは良
いけれど、貯金を使い果たして肝心の EISA 仕様のボードを買うことができな
かったというマニアもいたようです。まあ、このボードは所有することに満足
感を得るといったところがありましたから、それはそれで良かったのかもしれ
ません。当時一般的だった 30 Pin SIMM ソケットの搭載を無くし、全部 72 
Pin ソケットのみとなっていたところなども、このボードのステータスを感じ
ることができます。                          

筆者も EISA マザーボードは購入したものの、EISA 拡張カードが買えなかっ 
たという輩の一人です。結局このボードはほとんど使用しなかったため、VL 
バスの安定性や EISA の高速性については未知数のままでした。ボードそのも
のの品質は非常に高く、マニュアル類も充実していたのですが、一点気に食わ
なかったところが CPU ソケットの形状です。Diamond Fast Bus と同様、この
ボードの CPU ソケットにもアーチ型のリリースレバーが使用されています。 
この型のレバーは、CPU クーラーを付ける時に非常に不便で使いにくいのが問
題でした。                              

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