「俳句PAD」を動作させるには、以下のハードウェアおよびソフトウェアが必要となります。1980年代の製品も含まれていますが、未だにeBay等では入手が可能です。古いものを大切に使うという英国文化を感じさせられます。
  1. PSIONOrganiserII model XP
  2. PSION OrganiserII 用64KBデータパック(または、32KBデータパック2個)
  3. PSION OrganiserII 用32KB RAMパック(文書保存用 64KBデータパックを使用した場合)
  4. PSION OrganiserII 用Comms Link ケーブル
  5. ホストPCとの通信用プログラム(Comms Linkソフト)
  6. OrganiserII用開発支援ツール(DEVPACK)
  7. EP ROMイレーザ
  8. ACアダプタ
 上記の1.〜3.について少し説明を加えると、以下の二通りの構成を選ぶことが可能です
  1. Organiser本体+64KBデータパック+RAMパック
     もっともオーソドックスでお勧めな環境です。プログラムとフォントファイル、単漢字変換用の辞書ファイルを64KBのデータパックに格納し、作成したデータをRAMパックに格納します。本体内蔵のメモリをデータ格納領域として使用しませんので、多くのデータを保存できます。なお、RAMパックの容量は、8KBでも16KBでも32KBでもかまいません。
  2. Organiser本体+32KBデータパック2個
     入手が容易で、価格も安い32KBデータパックを本体の二つのスロットに挿入し、プログラムとフォントファイル、単漢字変換用辞書ファイルを分割して格納する構成です。この場合、作成したデータは本体内蔵のRAMに格納されますが、この領域はプログラムが利用するメモリを兼ねているので、保存文書量が増大するとメモリ不足でプログラムが起動できなくなる可能性があります。
 4.は、もともと5.とセットで販売されていたものですが、現在では、単体または、Organiser本体とセットで売られていることが多いようです。5のLinkソフトについては、以下のURLの「Download Psion PC Tools」タグから入手することが可能です。

Using the Psion Organiser II Comms Link

 因みに、「Psion Organiser II CM,XP & LZ Homepage」には、このマシンに関する有用な情報が満載されていますので、是非、一読をお勧めします。

 また6.の開発支援ツールセットは、プログラムをデータパックに焼き込む際に必要となります。これも以下のURLのDownloadsセクションの「Checkout what's here!!!」タグから入手可能です。

PSION ORGANISER II DEVELOPER SITE

 7.については、現状では純正品の入手は困難で、動作保証もされていないことがほとんどですが、汎用品のEP ROMイレーザを使うことができます。作者は、
秋葉原の秋月通商台湾製の小型イレーザを購入して利用しています。

 8.のACアダプタも、純正品は英国仕様なので、日本の電源規格には合致しません。作者は、入力電圧100V、入力容量6.6VA、出力9V(0.5A)の
ユニバーサルACアダプタを利用しています。なお、出力側プラグのの極性は、センター側が「+」です。プログラムをデータパックに焼き込んだり、ホストPCにデータのバックアップを取る際には、通常よりも多くの電力を消費しますので、ACアダプタは必須です。

 最後にデータパックとRAMパックについての説明を少々。データパックは、いわゆるEP ROMが内蔵されているストレージで、OrganiserII用として最も広く利用されました。データをEP ROMに保存しますので、データの削除はできますが、削除されたデータが書かれていた領域には削除フラグが立つだけで、容量は復活しません。従ってデータの修正・削除を繰り返しているうちにデータパックが満杯となってしまいます。その場合に、上記のEP ROMイレーザを用いてROMの内容を初期化し、再度必要なデータのみを復元するという処理が必要となります。こうした面倒な点はあるものの、バックアップ電源無しで安全にデータが保存できるというメリットがあります。

 一方RAMパックですが、こちらは、いわゆるSRAMです。従って、データの削除や修正を行っても、容量が減少してしまうことはありません。ただし、バックアップ用のコイン電池が必要で、その容量がなくなるとデータも消失してしまうという問題があります。

 従って、プログラムやフォント、辞書などの変更の必要がないデータについては、データパックに保存し、作成した文書等の修正や加筆が行われる可能性のあるデータについては、RAMパックに保存するのが最も実用的かつ安全な方法と言えます。

 なお、OrganiserII用のストレージデバイスの詳細については、以下のURLに詳しい説明が搭載されていますので、参考にしてください。

PSION Organiser II Memory Packs