「俳句PAD」とは、古のPSION社製PDAであるOrganiserII XP上で動作するミニマムな日本語エディタです。OrganiserIIシリーズの詳細については、「波多 利朗のFunky Goods」サイトのFunky Goods 著作活動内の記事「2003年秋号・冬号:濃い系 Psion の世界 #4/#5 Early-Psionの系譜:Organizer-I、IIの世界(前編・後編)」に詳細な解説記事が掲載されていますので、同機をご存じない方はそちらをご参照ください。(そもそも、日本にはほとんど存在しないマシンだとは思いますが...) また同サイトのSchwarzschild Cafe(シュヴァルツシルド・カフェ)の俺とPsion (2005/08/04)にも、開発の経緯が書かれています。

 今を去ること二十年前の1986年に発売された、この原始PDAは、16文字×2行のLCDキャラクタ表示画面しか備えておらず、当然のことながら日本語対応の2バイトフォントなどは搭載されていません。ところが、このマシンに用いられている日立製のキャラクタジェネレータは、拡張ASCIIコード部分に禁断の半角カナを搭載しており、同機に内蔵されている簡易プログラミング言語であるOPLから、それらを画面上に表示させることができます。

 また、たった半角8文字分ですが、ユーザが5×8ビットのフォントパタンをカスタマイズすることの可能な領域が予約されており、これを二つ組み合わせることにより、8×8ビットの2バイト文字4個を表示させることが可能なのです。こうした極限的なハードウェアリソースの中で、JIS第0/1水準の単漢字変換機能を備えた極小日本語エディタとして開発されたのが「俳句PAD」です。

 なお、同機の内蔵メモリは、僅かに32KB(MBではありません)ですので、作成できる文章の容量は、全角でたったの50文字です。これでは、通常のメモ帳として使うにも厳しい状況ですが、俳句や和歌などを作るには十分な容量です。そこで、いわば現代版電子矢立として「俳句PAD」と命名してみました。(作者は、どちらかと言うと俳句よりも和歌の方が好きなのですが...)

最後に、大切な注意事項を一つ。PSION OrganiserIIシリーズには、CM/XP/LZ/LZ64の四つの機種がありますが、本プログラムが動作するのは、これらのうちのXPだけです。これは、前述のように、キャラクタジェネレータに半角カナが搭載されており、かつメインメモリが32KBあるのがXPだけだからです。また、現在でもeBay等で最も入手の容易な機種でもあります。他の機種で動作するバージョンも開発済みですが、とりあえず最も使い勝手の良くバランスの取れたバージョンとしてXP専用のプログラムを公開することにします。