■ NEC NT-730 トランジスタラジオ ■


NEC NT-730 の外観 #1

                                    
この古びたトランジスタラジオは、波多 利朗の押入れから発掘されたもので、 
おそらく昭和30年中頃に購入したものと思われる。メーカーはNEC。パソコ
ンメーカーのNECも、昔はこのようなラジオを作っていたということだ。この
ラジオ、波多家において旅行等にめいっぱい活用した。数回故障して修理したも
のの、取り扱い方がハードであったこととトランジスタ時代の初期の製品である
ことを考えれば、結構丈夫であったような気がする。ラジオ本体は縦85mm×
横125mm×厚さ25mmとコンパクト。7石のトランジスタを使用。ご覧の
ように古びた合皮のケースに入っている。                 

NEC NT-730 の外観 #2

                                    
で、ケースから出した写真がコレ。寝ぼけたアズキ色の外装と、レトロなロゴの
周波数表示が時代を感じさせる。受信範囲は当然中波オンリーで、周波数メータ
ーの上には「All TRANSISTOR RADIO」と誇らしげに書かれて
いる。しかし、このデザイン、現代において復刻させても十分通用するではない
だろうか?本体右側面には2つのダイアルが付いている。手前が同調ダイアル、
後ろ側が電源スイッチ兼ボリュームダイアルである。            

NT-730 内部基板

                                    
NT−730型トランジスタラジオの内部基板写真。電源は006Pタイプの9
ボルト電池を用いる。基板上部のシルク印刷とスピーカーのマグネット部分に、
NECの旧ロゴが印刷されている。基板上部に横たわる黒い棒はバーアンテナ。
ボリュームツマミの下にポリバリコンが見える。基板上こげた部分が3ケ所見え
るが、これは故障時の修理跡。昔はこのように壊れたところを丹念に修理して使
ったものなのだ。プリント基板の配線は、現代のマザーボードを見なれた目には
極めておおらか。良い時代であった。                   

銘版 #1

銘版 #2

                                    
上に掲載した2枚の写真は、本体についている銘版のアップ写真。写真上は本体
裏側に付いているもの。写真下は、裏蓋に貼付されていたものである。    



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