東京天文台正門前の500

■東京天文台と調布飛行場の500 (1999/06/06)

●1999年06月06日(日曜日)
 関東地方も梅雨に入ったが、とても梅雨とは思えないくらい天気の良い日となったので、500をころがす。昨日より湿度が下がったため、暑いには暑いがさわやかである。久しぶりに吉祥寺のショップに遊びに行こうと思ったのであるが、開店がPM 1:00なので、それまで近所をドライブする。かねてより行ってみたいと思っていた東京天文台をめざすことにする。今日の500も、相変わらずの絶好調である。


東京天文台正門前の500
Kodak DC260使用。f値5.2。1/218秒。偶然にしては良く撮れたので、元画像も貼っておく。筆者はこの写真を「奇跡の一枚」と呼んでいる。
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 武蔵境駅横の踏み切りを南下してかえで通りを走り、東京天文台に向かった。天文台は東京とは思えないくらい深い森の中にある。正面入り口は馬車回しとなっており、木造の古い守衛詰め所もなかなか味がある建築物だ。

 入り口の前に駐車すると守衛さんが出てきた。あいにくと今日は一般公開日では無いため、構内を見学することはできないとのことであった。4月から11月の期間の定例公開日は、毎月第二、第四金曜日の午後1時30分からだそうだ。平日金曜日の公開だと、内部を見るのはなかなか難しいものがある。


東京天文台正門前の500

 しかし、おかげで良い写真を撮ることができた。正面玄関前は木が鬱蒼と茂っており、木漏れ日が500のボディーに当って、なかなか奇麗な模様を作る。まるでどこぞやの高原にあるお屋敷の前みたいな感じがしないでもないな。(んなわけないか。。。)

 守衛さんの話しでは、構内裏側に通っている道に車を停めることは可能だそうだ。構内に入ることはできないが、柵越しに見ることができるそうである。ここの守衛さんは非常に親切な方で、丁寧に教えてくれた。


東京天文台正門前の500

調布飛行場の500

 天文台正面入り口の前で500の撮影を目一杯行った後、せっかくなので、近くの調布飛行場まで行ってみることにした。東京天文台から調布飛行場までは、ほんの5分ほどの道のりである。

 前回調布飛行場を訪れた時に行った管制塔前の広場に500を停める。ここはいつ来ても静かで広々しており、気持ちが良い。前回と比較して、飛行機の発着はほとんど無く、アイドリングしているセスナもまれで、静かな飛行場だった。飛行場で休んでいると、自転車に乗ったおじいさんが話し掛けてきた。なんでも滑走路に水上飛行艇が停まっているそうで、非常に珍しいことだそうである。


調布飛行場の500

 ところで、管制塔前の広場には真っ白のロールス・ロイスが駐車していた。きっと自家用のセスナでも持っている人なのであろう。せっかくの良い機会であるので、この天下無敵のステータスカー、RRと500の記念写真を撮影した。上流階級の象徴たるエグゼクティブカーと30年前のイタリアの大衆車の組み合わせは、いかにも面白い取り合わせだ。


調布飛行場の500とロールス・ロイス

 RRの真横に500を駐車して撮影してみると、500はRRの約半分の長さしかない!こいつは驚きである。しかし、いくらRRが高級車であっても、筆者には500の方がよほど魅力的に見えるがな。でも、これっていわゆる「貧乏人の僻み?」ってヤツ???


調布飛行場の500とロールス・ロイス

調布飛行場の500とロールス・ロイス

調布飛行場の500とロールス・ロイス

 調布飛行場で一休みしてから、吉祥寺のショップに向かうべく出発しようとした。ところが、スターターモーターを回してもエンジンがかからない。3〜4回しても、エンジンは一向に始動する気配が無い。こりゃあ、いよいよ故障したかと、青くなる。そういえば、最近不気味なくらい調子良かったから、その反動でツケが回ってきたのかな、とも思った。しばらく時間を置いてから再度スタートさせようと一息入れて、ふとダッシュボードを見ると、ナント!メインイグニッションキーがONの位置になっていなかった!

 500のスターターモーターは常時通電されているので、キーをON位置にしなくてもセルが回転してしまうのだ。超初心者のミスを犯してしまい、恥ずかしい。

 そんなこんなのトラブルの後、吉祥寺へ向かう。すごい日差しの上、オープントップを全開にしていたので、両腕がドカタ焼けしてしまった。ショップでは、ちょうど今日納車が入っており、店長さんは非常に忙しそうであった。今日の納車は、内装が黒で外が真っ赤なFIAT 500Lだった。赤に黒というのも、なかなか格好が良い。

 納車も終わり一段落したところで、店長さんといろいろお話しする。このお店のアルバイトの若いお嬢さんであるが、とんでもないカメラを持っていたので、びっくりしてしまった。イーストマン・コダック社が1951年に発売した、コダック・シグネット35なのである。これがどのようなカメラであるのかは、次回のコラムで紹介する予定であるが、とにかくかなりマニアックなカメラであることには変わりない。ロシアカメラに傾倒する筆者としては見過ごすわけには行かない。

 ショップからの帰り、井の頭通りのガススタンドで10リットル分給油する。スタンドの横にクルマをつけたら、いつものように「すいません、もう少し前に出して停めてくれますかぁ?」と言われてしまった。ガソリンタンクが前にあるからと言うと、びっくりしていた。ちょうど店内が暇な時に変な車が入ってきたものだから、たった10リットルの給油だけなのに店員さんが4人も出てきた。「失礼ですが、ちゃんと走るのですか?」とか「オートマはあるのですか?」とか、なかなか面白い質問が飛び交う。500にオートマチックは、100万年たっても付かないであろう・・・

 帰宅したのは夕方。考えてみると、昼飯も食わないで500に構いっきりの一日だった。そのうち体壊すな、こりゃ。。。

【2014年の追記】
この日の東京天文台正門前での撮影は、奇跡とも言って良いレベルの写真が撮れたと思っている。いやべつに手前味噌ではないのだが、偶然にしては良い構図だったのが1枚有るのだ。この写真は、後日雑誌の旧車写真コンテストに応募し、優勝することになるのだが、今考えると親バカ行為そのもので恥ずかしい。撮影に使用したカメラはKodakのDC260。元画像は1536×1024ピクセルと、スペック的には貧弱そのものだ。しかし、光線の加減と風景、それに撮影者の偶然ともいえる腕が加わると、カメラ本体の性能に関係無く満足の行く写真が撮れるものなのである、とこれは今でもそう思っている。

調布飛行場でのロールスロイスとのツーショットは、後日連載する「Schwarzschild Cafe(シュヴァルツシルド・カフェ)」の、「本日のお隣りさん」シリーズの元祖と言える。

なお、当時は東京天文台の一般公開日が、かなり限定されていたようである。現在では、ほぼ一年を通して、見学することができるみたいだ。詳細は天文台のHPで確認するのが良い。





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