起動時にエンジンがくすぶってしまった500

■500、起動時くすぶる、それとロシアカメラの本の話し (1999/05/28)

●1999年05月28日(金曜日)
 帰社後、夕方500を運転する。今回は起動にてこずってしまい、数回くすぶる。アイドリングも終わり、さて運転しようと駐車場から一般道へ出て1速で加速しようとした時、変な現象が出た。エンジンが高回転になるに従い、ブスブスという妙な音と振動が激しくなり、パワーが出ないのだ。あわてて路肩に駐車し一旦エンジンを切る。以前、1970年製のハコスカに乗っていた時、これと同様の現象が出たことがあった。その時は異常に構わず走り出してしまったため、途中でめでたくエンコし、クルマを押すハメになった。この経験もあるため、即路肩に寄せてエンジンを停止させたのだ。

 ハコスカの場合は、6気筒のうち1本もしくは2本が点火しておらず、死んでいたのが原因だった。その時はしばらく休ませてから再起動すると問題なく起動できた。今回も再度エンジンをスタートさせると、今度はちゃんと起動する。ただし、起動時に真っ黒い煙を出したので、おそらく混合気が濃すぎたのだろう。エンジン起動に数回失敗したため混合気が濃くなりすぎ、1気筒が死んでいた可能性が高い。ハコスカと異なり500は2気筒しか無いのだから、1気筒死んでしまうと致命的だ。

 一旦起動した後は全く問題なく非常に快調に走る。またエンジンがあたたまってしまうと起動もスムースに行えるようになる。まだマシンに慣れていないので、起動時のチョークの引き具合とセルモーターの回転、アクセルのあおりの程度がつかめていないためなのかもしれない。

 今日は近所をドライブすることにして、機関の調整作業を行う。5/18にショップで調整を行ったのだが、キャブ式のマシンは気温や湿度で微妙に変化するため、アイドリング調整にズレが生じてきた。ところで筆者は、簡単な機関調整は、JR荻窪駅西口前のバス降車場近くの空いた道路で行うことにしている。その理由であるが、まずエンジンを吹かしても文句を言われないこと(道路横すぐのところに中央線が走っているので、騒音は十分うるさい)、近隣に住宅が無いこと、普段でさえバスの往き来が激しく、ガス臭い場所であること、調整の結果万一エンコして不動となってもレッカー移動がたやすいこと(同時に助けも呼びやすい)、そしてエンジンを適度に温めた状態で調整できること(荻窪駅まで走ると、そこそこエンジンが温まる)があげられる。

 マイナスドライバー片手にミクスチャースクリューとアイドルアジャストスクリューの調整を行う。通行人は「一体何をやっているのか?」といった怪訝な顔付きで通りすぎていく。きっと古いクルマだから、動かなくなってしまい修理しているんだろう、カワイソウニ・・・程度に思っているかもしれない。調整を一通り終えて回転数もかなり安定した。

【2014年の追記】
購入から2ケ月しか経過していないため、まだ色々と内在していたトラブルが出ていた頃のハナシである。操作の腕も未熟だったので、特にエンジンの起動には往生していた。機関の整備が完了していないことが、主な原因だった。もちろん、これらはきちんと整備してあれば、皆無となる。現在の500は、それこそ普通のクルマと何ら変わらずに起動し、走行することができている。エンジンをオーバーホールすれば、旧車といえどもある程度はメンテナンスフリーで維持させることが可能だ。


The Authentic Guide To
RUSSIAN AND SOVIET CAMERAS
ロシアカメラ界のバイブル。
別名「黄色本」(表紙)

The Authentic Guide To
RUSSIAN AND SOVIET CAMERAS
ロシアカメラ界のバイブル。
別名「黄色本」(裏表紙)

 ところで、話しはがらっと変わるがロシアカメラマニアのバイブルとも言える本が送られてきた。

Jean Loup Princelle著の「The Authentic Guide ToRUSSIAN AND SOVIET CAMERAS」(HOVE FOTO BOOKS刊:24.99£)である。この本は筆者の知人であり物理層プログラマーでもある Madam Fatal氏に購入をお願いしていたものであるが、amazon.comには在庫が無くて amazon.co.ukで見つけることができた。

 この本、戦後のソビエト&ロシアカメラを、メーカー別に網羅したというすさまじい内容のものだ。大体ロシア製カメラなんぞに興味を示すこと自体、かなり異常な趣味といえないこともない。本書は、ロシアカメラについて体系的にまとめられているので、資料的価値も高い。各モデルのマイナーバージョンも写真付きで掲載されているので、見ているだけでも楽しいものがある。この手の濃ゆ濃ゆの趣味を持つ方は、是非購入して頂きたいものだ。

 また、本屋で自動車整備の入門書を購入してきた。安い解説本で有名なナツメ社の発行で、「カー・メカニズム・マニュアル[ベーシック編]」(青山元男著:1,500円)というものだ。内容は超初心者向けで図版も多く良くわかる。500に特化した整備書では無いが、500は機関が単純であるため、ほとんどこの本で間に合わせることができる。

【2014年の追記】
Jean Loup Princelle著の「The Authentic Guide ToRUSSIAN AND SOVIET CAMERAS」を初めて見たとき、どんなロシアカメラマニアでも、この著者には逆立ちしても適わないと、正直に思った。オタク度のレベルが違い過ぎる。日本では、まだロシアカメラという言葉さえも知られていなかった当時、これだけ大量のソビエトカメラを詳細に解説した書籍が出版されていたのは、驚愕である。イギリス、恐るべし!なおこの本は、通称「黄色本」と呼ばれ、日本のロシアカメラ専門店には必ず一冊は置かれるようになる。「黄色本」は、その後さらにグレードアップし、掲載機種とページ数を大幅に増加させた改訂版である「赤本」へと進化を遂げるが、それはまた後のお話しである。


カー・メカニズム・マニュアル[ベーシック編]

 自動車整備書を購入した本屋で、たまたま面白そうな本を見つけたので買ってしまった。「HONDA 360 STORY」(三樹書房刊:1,700円、吉田匠著)である。ホンダの代表的軽自動車であるN360、Z、Life等の開発経緯を解説した内容のもので、Kカーファンには興味のある内容だ。空冷の N360は、やはり遮音と振動対策に苦慮したそうである。そういえば、スバル360も騒音対策にてこずったとのことである。こういったことは、500に乗っているととても良く理解できる。確かに空冷エンジンの騒音はハンパじゃない。


HONDA 360 STORY



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