1994年07月号:Funky Goods in 秋葉原
ジャンクでつくるIBM PC/XT<その3>



 Funky Goods in 秋葉原、連載の第4回目。ジャンクでつくるIBM PC/XTシリーズ の3回目である。前回、20MBのST-225 HDD を接続したXTマシンだったが、今回はIDEハードディスクの接続に挑戦する。もともとIDEはATバス用に作られたインターフェスであるが、今回は$60で購入したJDR社製の8-BIT IDEコントローラカード、MCT-IDE-8を使用して、XTバスにIDEドライブを接続させた。なお、使用したIDEHDDは、コナー社製80MBドライブ、CP30084。このドライブは、まだHDDが高価であった当時、秋葉原のT・ZONEにて9,800円で大量に出回っていたものである。

 次にVGAカードを接続した。IBM PC/XTは、もともとMDAを使用していたが、今回は、XTバスでも使用可能なDFI社製ビデオカード、VG-7000を用いてXTマシンでもVGAを表示させた。なお、このビデオカードは、ビデオチップにOAK社製VGAチップ、OTI-062を使用している。

 外形が整ったところで、湘南通商で見かけたXT純正ケースにボード類を格納した。ベンチマークテストも実施したが、処理速度は初代PC-9801の0.91倍、VGA グラフィックスのベンチマークテストとして有名だった3DBENCHの値は、たったの0.5であった。




 この号の特集記事は、「HP派とTP派のための移動体通信入門」で、モバイルコンピューティングの入門記事であった(もっとも本誌上ではモービルコンピューティングと記載されており、このあたりに時代を感じさせる)。ここでは、PHS試作機の写真や、アナログムーバによる1200bpsでのパソコン通信等が掲載されていた。ニュースとしては、Microsoftが次期WindowsであるChicagoを秋にリリースすると発表した。また、Amigaで有名なCommodore社が倒産した。Amigaを持っている筆者としては、今後が非常に心配になったのだが、97年現在でも、まだAmigaショップは健在である。Megaherz社のXJAC 14400bpsが国内で発売されはじめてきた。CD-ROMドライブも、倍速の時代から、ようやく4倍速に入ってきた。本誌記事では、PC-9801VMのケースと電源を使用したIBM PC/AT互換機制作記事が掲載され非常にユニークで面白かった。

(補記)
 これを書いている2003年夏、Amigaショップのほとんどは倒産または閉店に追い込まれ、Amiga趣味は遠い昔の記憶の一部として追いやられてしまったように思えてくる。全ての人が同じプラットフォームで同じOSを使用する時代になってしまった。そこには個性も趣味も何も無い・・・・・