リストマーク ダイエー BUBU 100X (1972年)

写真1.BUBU 100X 外観


写真2.BUBU 100X 蛍光表示管表示


 株式会社ダイエーが製造・販売した8桁のデスクトップ電卓、BUBU 100Xである。ダイエーという会社が、あのスーパーのダイエーとどういう関係にあるのかは不明。おそらく、たまたま同じ名称だったのだろう。表示は7セグメントタイプの桁別蛍光表示管を採用しており置数8桁+エラー表示1桁の構成。エラー表示管は、オレンジ色で表示される。

 AC100V電源専用で、消費電力は2.3W。シリアル番号は04388となっていた。本体は23×17×5.5cm程度の大きさがあり、色使いは全く異なるが、造形的にはどことなくCasioのデスクトップ電卓を思わせる。グレーと黒に塗られた本体はいかにもビジネスライクで堅いイメージであるのに、電卓の名称がBUBU(ブブ)というところも、対比が面白い。

 キーボードはクリック感は無いものの、ストロークも十分にあり、押しやすい。チャタリングも皆無である。演算キーは、黒にオレンジで記号が表示され、なかなかオシャレな面もある。左側にあるオレンジ色のレバー状のものは、「K」演算レバー。これを設定すれば、乗除算時に=のみで連続演算が可能となる。

写真3.BUBU 100X 本体正面


写真4.BUBU 100X 本体側面


写真5.BUBU 100X 本体背面


写真6.BUBU 100X 本体裏面


写真7.BUBU 100X 本体裏面銘板のアップ


写真8.BUBU 100X 本体裏面に貼付されているエラー表示一覧表


写真9.BUBU 100X キーボードのアップ


写真10.本体上面に貼付されているロゴのアップ


 本体内部は2枚の基板で構成されている。ロジック基板は電源部と蛍光表示管表示部も搭載されている。メインとなるLSIはTI社製のTMS0105ANCで、1972年05週製造のもの。28 Pin プラスチックDIPパッケージの製品だ。この石はほぼワンチップで電卓機能を実現しているが、表示ドライバは内蔵されていない。そのため、LSI周辺には2SA639 トランジスタが18+1本搭載されている。

 蛍光表示管表示部は鉄製のフレームで固定されており、各桁ごとに1本蛍光表示管が用いられている。蛍光表示管は7セグタイプの後期型で、長さは3cm程度。エラー表示管のみ、オレンジ色のガラスに封入されている。

 電源回路はトランス内蔵タイプ。キーボードは磁石リレータイプと思われる。電源トランスとロジック基板、ロジック基板とキーボードとは、それぞれコネクタで接続される。配線は1本1本手付けハンダで作られており、線を束ねる際に通称「ねじりっこ」と呼ばれる針金状のリボンが使われている点が珍しい。

写真11.BUBU 100X 本体内部構造


写真12.ニキシー表示基板/ロジック基板の全景


写真13.演算用LSIのアップ
TI社製シングルチップ電卓専用LSI、TMS0105ANCが搭載される。


写真14.ニキシー表示部分のアップ
左側の1本はエラー表示専用桁で、オレンジ色に点灯する。


写真15.キーボード基板裏面のアップ


写真16.ニキシー表示基板/ロジック基板の裏面


写真17.ロジック基板裏面の手ハンダ接続処理


写真18.キーボード基板との接続コネクタ部分のアップ
大変込み入った手作業の配線となっている。


写真19.ニキシー表示ブロックの背面
蛍光表示管はメタルフレームにマウントされている。




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