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プラグを点検しよう!

写真1.キャブ車乗りにとって、プラグ交換は必須の技術。カブった時のために、プラグ交換くらいは自分でできるようになっておきたいものである。


 プラグの交換など、わざわざ記載するまでも無われる言う方がほとんどだ
と思うが、筆者のように自動車整備に関しては素人だと、こういった作業に
もそれなりに気を使うし、作業自体も不安でもある。特にチンクェチェント
のように空冷エンジンの車では、プラグの挿入口自体がエアカウルに覆われ
ており、手が入りにくい。その上、チンクェチェントのエンジンはアルミ製
である。プラグの入れ方次第では簡単にネジ山をナメてしまうし、そうなる
とリコイル等の処置をしないと修理できない。こういったことを考えると、
なかなかおいそれとは手を出せないと言うのが正直なところだ。     

 そこでこのページでは、筆者の悪友である流しの整備士Randy氏から
教わった、初心者でも比較的簡単に行える方法をご紹介しておく。この方法
であれば、あまり車をいじったことが無い人でも、比較的安心して整備する
ことが可能だ。さて、当然のお断りであるが、実際に整備をする場合には、
あくまで自己責任において行ってもらいたい。本来自動車の整備は、プロの
整備士が行うものである。ここに記載した方法で作業を行った結果発生した
トラブルについては、筆者は一切責任を負わないのでご了承願いたい。ただ
緊急の時など、どうしても自分でナントカしなくてはならない場合もあるだ
ろうし、なんでもかんでも整備士に頼んでいたのでは、お金がいくらあって
も足らないのも事実。簡単にできることは自分でやれるようになっておきた
いものである。                           

 さて、まず最初に、以下のものを用意しておこう。          

 ・プラグ                             
  NGK(日本特殊陶業)製のBP6HSが一般的。好みに応じて熱価を
  変えてみるのも良いかも。オートバックスで2本600円程度。安いも
  んだねぇ。。。。                        
 ・プラグレンチ                          
  写真1に示したようなものがベスト。21mmのものを使用する。途中
  ジョイントで折れ曲がるようになっているので、チンクェチェントのよ
  うに狭いエンジンルームでも容易に作業ができる。また回すところの柄
  があまり長くないのて、必要以上のトルクを加える心配も無い。   
 ・ビニールホース                         
  BP6HSプラグがきっちりと入る程度の直径を持つホースを20cm
  ほど用意しておく。ホームセンター等で売っているもので可。    

 用意が整ったところで、実際にやってみることにしよう。       

写真2.プラグ交換に必要な機材。プラグ2本(NGK:BP6HS)、プラグレンチ(21mm)それにビニールホース少々。

写真3.まず、ハイテンションコードを「キュポッ」っと抜く。コードの根本に付いているゴム製の輪(通称クラゲ)がちゃんとあるかどうか、また破損していないかどうか要確認。これが無いと、エアカウル内の冷却エアがプラグ穴から出てしまい、冷却効率が落ちるので、要注意だ。

写真4.プラグレンチでプラグを外す。この時、レンチを回すのに必要な力を覚えておけば、プラグを交換した後、同程度の力を加えて締め付ければ良いので、安心。なお、プラグレンチにマグネットが付いているタイプだと、プラグを抜いた後でもレンチにプラグがくっついてくるので便利である。もしマグネットが無い場合には、ある程度プラグが軽く回るようになったら、例のビニールホースをプラグに挿し込んで、ホースを回して取るようにすれば、プラグをエアカウル内部に落とす危険が無い。

写真5.プラグを抜いたところ。エアカウルの奥にプラグ孔が見える。雑誌「Old Timer」では、この孔に東急ハンズ等で販売しているCCDカメラ付きの耳掻き「イヤースコープ」を入れて、シリンダー内部の状況を把握するという面白い記事が掲載されていたので、今度やってみることにしよう!^^;

写真6.交換する新品のプラグに、例のビニールホースをしっかりとはめ込んでおく。これがコツ。中途半端にはめ込んでおくと、作業の途中でプラグが外れ、エアカウル内部に部品が落ち、非常にやっかいなことになるので注意。

写真7.プラグをエアカウルの奥にあるプラグ孔に入れ、ビニールホースをゆっくりと回しながらプラグを挿入して行く。この時、ねじ山が合っておらず、少しでも回す際に抵抗を感じたら、すぐにやり直すこと。こうすれば、エアカウル越しの作業も楽に行えるし、もしネジ山が合っていなくても、それほどトルクをかける前に判るので、ネジ山をナメる失敗が起き難い。プラグを入れる際には、くれぐれもネジ山を潰さないように慎重に作業を行うように。

写真8.無事新品のプラグが入ったところ。ネジ山がきちんと合って入っていることが確認できれば、ビニールホースを抜いてトルクレンチで締め付ける。スパークプラグの締め付けトルクは、規定では2.5kgmとなっており、一般的にトルクレンチを用いる。トルクレンチが無い場合には、抜く際に加えた力を覚えておき、同程度の力で締め付けるしか無い。あまりゆるいと、走行中に「スポーン」と抜け、最悪エンジンフードに突き刺さったという例もあるとか。。。

写真9.交換したプラグをチェック。ヘインズのマニュアルには、「きつね色(淡い灰色がかった茶色)の堆積物があれば、状態は良好」と書かれている。


 プラグを交換したら、今まで使っていたプラグの状態をチェックしておく
ことが重要だ。ヘインズのマニュアルを見ると、下記の項目が掲載されてい
る。燃焼を良好に保つため、マメに点検した方が良いかもしれない。   

 ・白い堆積物と、碍子部の破損は、オーバーヒートを示す。      
 ・不適切な熱価のプラグを使用すると、長期に及ぶ過早着火(ノッキング
  )により、電極が溶ける。                    
 ・黒い堆積物が多すぎる場合は、混合気が濃すぎるかプラグの熱価が誤っ
  ているため。                          
 ・白い堆積物がうっすらと付着し、電極が少し溶けている場合は、混合気
  が薄すぎる。                          
 ・きつね色(淡い灰色がかった茶色)の堆積物があれば、プラグの状況は
  良好である。                          
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