■ 日々の点検(始業点検)■

どんな車でも始業点検は大切である。しかし、現代の車に乗っていて、毎回始
業点検を行っている人は希であろう。筆者も14年落ちのサニーと5年落ちの
BEAT を使用しているが、BEAT の方は時々行うにしても、サニーについては全
くといって良いほど始業点検をやったためしが無い。           

ところでチンクにとっては状況は異なる。始業点検は必須と考えた方が良い。
これを怠ると、思わぬところで泣きを見るかもしれない。実際、チンクのプロ
の方に言わせると、ほとんどのトラブルが始業点検で未然に防止できるのだそ
うだ。いつの時代でもそうであるが、「初心に戻り基本を忠実に!」というこ
とが大切なのであろう。                        

始業点検の内容については、自動車運転免許を取得する際に、教習所で必ず教
わっているハズである。しかしそんな昔のことなど(筆者にとっては20年前
のこと)普通あまり覚えていない。恥ずかしながら今回チンクを運転するよう
になり、当時の教科書をひっくりかえして復習してみた。         

ブレーキオイルリザーブタンクの点検                

良く「チンクのブレーキは弱い」と言われているようだが、確かにチンクで
は、通常の車と異なりブレーキ系を1系統しか持たないため、ブレーキオイ
ルが漏れてしまうと全く効かなくなってしまう。エンストして動かなくなっ
てしまうのと異なり、走っていて止らないというのはかなりの恐怖なので、
ブレーキの点検は怠らない方が良い。こうは書いてみたけれども、考えてみ
れば2系統のブレーキを持つ現代の車でも、2系統ともオシャカになってし
まえば話しは同じである。従ってブレーキ系統の点検は、何もチンクに限っ
たことでは無く、どの車でも大切なものなのである。          

ブレーキの始業点検といっても簡単で、先ずフロントボンネットの中に格納
されているブレーキオイルリザーブタンク(写真1)の量をチェックする。
タンク一杯にブレーキオイルが入っていれば安心だ。次に、念のため車体の
下を覗き、各ホイール付け根に通っているブレーキホースからブレーキオイ
ルが漏れ出していないかどうかをチェックする。            

異常が無ければ走行開始時に制動テストを行い、正常に停止でき踏力も異常
が無いことを確認すればOKだ。もしブレーキオイルが抜けてしまった場合
に備えて、サイドブレーキの効き具合も調べておけば完璧であろう。できれ
ば駐車場の中、それが無理なら見通しが良く人通りの無い空いた裏道で徐行
させ、サイドブレーキで停止させてみる。この練習をしておけば、イザとい
う時にも慌てずにサイドブレーキで停止させることができるので有効だ。 
(ってホントにそうなった場合には多分慌てるだろうけどね。。。。。) 

写真1:ブレーキオイルリザーブタンクの点検

ファンベルトの張り具合のチェック               

チンクェチェントのファンベルトは、エンジンルームの左下、ダイナモのプ
ーリーにかかっているのですぐにわかる。先ずベルトを目視で点検し、亀裂
等が無いことを確認する。ベルトの中央を指で押してみて、1cm程度たわ
むくらいが適正な張り具合とされている(写真2)。マニュアル等には「 
10kgの圧力をかけた時の沈み込みが約1cm程度」と記載されている。

ベルトのたわみが適切で無い場合、もしくはベルトが張り過ぎている場合に
は、ダイナモプーリーのネジを外して調整する。なお、突然の切断に備えて
予備のファンベルトをトランクに格納しておくと安心だ(写真3)。   

写真2:ファンベルトの点検


写真3:予備のファンベルトの準備

エンジンオイルのチェック                     

エンジンオイル量の確認は簡単で、エンジンの横から出ている点検用ゲージ
(ディップスティック)を引き抜き、オイルが min レベル以下になってい 
ないかどうかをチェックする(写真4)。なお筆者の車では、最初入ってい
たにオイルの量が多すぎたようで、運転時にエンジン上部にあるオイル注入
口(オイルフィラー)から余分なオイルが吹き出したことがあり、けっこう
焦った。しかし色々と話しを聞いてみると、このオイル注入口には、オイル
が高圧になった際に逃がす機構がついているそうで、オイル量が多すぎる場
合には良く吹くことがあるそうだ。オイルを吹く現象が見られた時にはエン
ジンオイルの量を点検してみると良いかもしれない。          

オイル量の点検と同時に、車体下部を覗いて見て、オイルパンからオイルの
漏れが無いかどうかも確認する。特に1週間以上使わなかったような場合に
は、地面にオイルのシミが必要以上に大きく出来ていないかもチェックした
方が良い。地面に若干のオイルのシミができるのは、この時代の車では当然
のことであり、あまり神経質に捉えない方が良いであろう。要は程度問題と
いうことで・・・・・・                       

写真4:エンジンオイル量の点検

ランプ類のチェック                      

以上の点検で問題が無ければ、エンジンを始動させる。走行する前に、ウ
インカーランプ、ブレーキランプ、スモールランプ、ヘッドランプ(ロウ
/アッパー)が正常かどうかをチェックしておく(写真5)。また、ハザ
ードランプも点滅するかどうか確認しておこう。筆者の場合、納車直後に
アースの不具合でブレーキランプとウインカーが点灯しなかったという苦
い経験があるため、このチェックは毎回特に念入りに行っている。もしウ
インカーが途中で点滅しなくなった場合に備えて、手信号による方向指示
方法も復習しておいた方が良いかも。でも、現代の道路事情で、手信号の
意味がわかるドライバーが果たして何人いるのかは疑問であるが・・・・

写真5:ランプ類の点検

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